girikenのブログ

40歳の未婚おじさんが描く恋愛小説

2022年11月のブログ記事

  • 40歳独身貴族のアバンチュール11

    飲み始めてかれこれ2時間が経過した。 なつきの頬は桃のように紅潮されている。 「この後どうしようか?なつきさん、まだ時間大丈夫?」 健二はなつきに聞いてみた。 「全然大丈夫!健二君と飲んでる時間楽しいもん!」 酔っているからだろうか。 健二にとって嬉しい返答が先程より楽し気に返ってきた。 続けて、... 続きをみる

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  • 40歳独身貴族のアバンチュール⑩

    怪しげなねずみ講のセミナーをなつきと一緒に抜け出した健二。 「さて、とは言うものの今横にいる人は初対面の女性だ。  この後どうしたら良いのだろうか」 健二は悩んだ。と言うのも、せっかく向こうからセミナーを出ないかと言ってくれた。 このまま出てそこで解散は男が廃ると彼は思った。 という建前もあったが... 続きをみる

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  • 40歳独身貴族のアバンチュール⑨

    兎にも角にも、あまりこの場に長居したく無いというのが健二の本音であった。 しかし、折角連れてきてくれた優子の面子を潰すのも良くない。 もしかしたら彼女もただ単純に好意で自分の事を連れてきたのかもしれない。 もしそうだったら、彼女に対して大変失礼な行動になってしまう。 どうしようか考えていたがなかな... 続きをみる

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  • 40歳独身貴族のアバンチュール⑧

    改めて優子に話を聞いてみると、生活に必要サプリや美容系グッズを扱うビジネスらしい。自分が特に在庫を抱えるわけではなく、紹介した人達がその商品を購入すると紹介した人の元に売上金の一部が入ってくる。また、その紹介した人が更に新しい人を紹介して商品を購入すると、2人に売上金の一部が入ってくるとの事だ。 ... 続きをみる

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  • 40歳独身貴族のアバンチュール ⑦

    健二は今まで出会った事のない種類の人だったので些か困惑した。 「なんだろう、この統一感の無い格好をした人は」 それが彼の第一印象であった。 しかし周りの子たちは 「中田さん、おはよう御座います!」 「中田さん!」「中田さん!」 と、次々と声をかけられてゆく。 どうやら人望だけは厚いらしい。 健二も... 続きをみる

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  • 40歳独身貴族のアバンチュール ⑥

    土曜になり、セミナー会場に優子と共に健二は訪れた。そこは異様な雰囲気をまとった場所であった。 ぱっと見で人は50人程いて、各々が胸にネームプレートをしていた。そこには名前と共に「メンバー」「ディレクター」などの役職名と思われるものが記載されていた。 健二にもネームプレートが渡され、そこには「高橋健... 続きをみる

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  • 40歳独身貴族のアバンチュール ⑤

    待ち合わせまで後1時間。 彼はソワソワしながらも、一抹の不安に駆られていた。 というのも、今の携帯は写真の補正機能が高性能である。 こんなにトントン拍子に事が運ぶ事を考慮すると、写真と全然別人が来るのではないかと考えてしまったのである。 「まあ、そんなに期待しすぎてもいい事ないしな。気軽に待とう」... 続きをみる

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  • 40歳独身貴族のアバンチュール④

    「こんにちは、初めまして」 こんな当たり前の挨拶でさえテンションが上がってしまう。 40歳のおじさんではあるが、学生時代振りのトキメキを日々の生活に健二は感じていた。 「え!私もディズニー好きなんですよ!」 「音楽も好きだけど、フェスとか行ったことないの。けどすごい行ってみたい!今度、行けたら一緒... 続きをみる

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  • 40歳独身貴族のアバンチュール③

    早速有料会員になった健二。 「初めていいねを女性からされた。一体どんな子なんだろう」 高鳴る胸の鼓動を押さえ早速画面を開いてみたが、彼は愕然とした。 画面を開いて現れたのは推定体重3桁は優に超えている黒人の女性が2名。 彼は身長の低い小柄な女性がタイプであっただけに、衝撃は計り知れないものであった... 続きをみる

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  • 40歳独身貴族のアバンチュール➁

    焦ってはいるものの、出会いを探そうと思えば携帯一つで出会いを見つけられるのが今の世の中だ。 今の世の中は本当に便利になったものである。 健二はいわゆるガラケー世代であり、携帯電話の使用用途と言えば知り合いと直接電話で話をするかe-mailでメールでのやり取り。 これくらいであった。 しかし現在はス... 続きをみる

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  • 40歳独身貴族のアバンチュール①

    「また今年も独身のまま一人で明石家サンタを見るのか」 ため息と共にこなれた手つきでカップラーメンにお湯を注いで令和初のクリスマスを迎えた男がいた。 彼の名前は高橋 健二。 この話の主人公である。 傍らには彼の飼っている猫の「じゃじゃ丸」がいる。 猫を飼い始めたのは彼の思い付きからであったが1匹目は... 続きをみる

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