【東京上京物語②】20230223
新千歳空港から羽田空港まで約2時間。
初めて飛行機に乗ったのだが、こんなに早く着くのかと驚きであった。
普段は電車での移動がメインだったが、北海道内の遠方に行くために乗っている時間と同等の時間で東京に着いてしまうのは不思議な感覚だ。
なにか特別な事をしているみたいで、18歳の力也少年は1人でニヤッとした。
飛行機を降りて電車で1時間ほど。
江戸川区の平井駅で降りた。
ここは、度々深夜番組的の「月曜から夜更かし」でも取り上げられる場所である。
その平井駅を降りて20分程歩いたところにある築30年の家賃43,000円のワンルーム。
ここが彼の新しい東京での城である。
お世辞にも綺麗な物件とは言えない。
良質な物件とも言えない。
しかし力也にはそんな事は関係なかった。
ここは人生において初めて1人で生活する彼だけの空間なのだ。
ボロボロの物件ではあるが、彼はここの一国一城の主で、気持ちの中ではお城と同等の神々しさがあるのだ。
一旦荷物を置いて一呼吸。
「ちょっと、周辺を歩いてみるか」
近くを散策する事にした。
普段の同じ時期だと間違いなく長袖なのだが、東京のこの気候だと半袖で全然行けそうだ。
半袖のTシャツにデニム、スニーカーというラフな格好で早速外に出てみた。
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