【東京上京物語③】20230301
春の風が心地良い。
まるで、街全体が自分の事を受け入れてくれているような感覚になる。
あぁ、自分はこれからこの街で大学の4年間を過ごす事になるんだな。
親元を離れる寂しさもあったが、それよりこれからの日々に対する期待の方がはるかに大きかった。
散歩を終え、力也は帰宅した。
そうすると、自宅マンション前に引っ越しのトラックが止まっていた。
「流石3月。引っ越しする人が多いんだな」
そう思いながらマンションに入っていった。
引っ越しの業者が忙しそうにトラックから荷物を運び出している。
どうやら、退去ではなく入居らしい。
引っ越し業者のアルバイトと思われる男の子達の波に乗りながら、力也も自分の部屋へと進んでいった。
するとどうだろうか。
引っ越しをしていたのは、自分の部屋の隣だったのだ。
「お隣さんも今日の入居なんだ」
そう思った矢先、一つの不安点が出てきた。
「あれ、こういう時って引っ越しの挨拶をした方が良いのだろうか。でも、今手元になにも無いし、、、」
初めての一人暮らしだから、そういった勝手が分からない。
しかし、これから4年間お世話になる部屋の横に入居してきてるのでここはちゃんと挨拶をしなくてはと思い、帰ってきたばかりではあったがまた再度手土産を買いに外出したのであった。
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