girikenのブログ

40歳の未婚おじさんが描く恋愛小説

girikenのブログの新着ブログ記事

  • 【東京上京物語11】20230317

    ドアの覗き穴越しに見える彼女は、どことなく落ち着かない表情をしていた。 しかしながら、とりあえず外にいるのは勧誘系の人ではない事ははっきりした。 どうしたのか聞いてみよう。 早速ドアを開けてみると、 「あ、良かった!いた」 と、声をかけてきた。 「おはよう。どうしたの?」 全く状況が掴めないので、... 続きをみる

  • 【東京上京物語⑩】20230316

    そうこうしながら過ごしていると、やがて大学が始まった。 いわゆるキャンパスライフというやつだ。 まずはサークルを決めておきたい。 4月は、各サークルが新しい入部者を得る為に、どこも活気よく声がけとチラシ配りを行っている。 4月ならではの大学の光景だ。 いくつかのチラシを受け取るものの、やはり一度そ... 続きをみる

  • 【東京上京物語⑨】20230315

    上京して数日後。 力也は北海道の友達で今回上京してきた上京組4人で会う事になった。 待ち合わせ場所は渋谷だ。 地名は聞いた事はあるが、当然行ったことは当然無い。 まあしかし、ただ単に多少大きめの若者が集まる場所なのだろう。 その程度にしか思っていなかった。 田舎出身者にはややこしく感じる電車を乗り... 続きをみる

    nice! 1
  • 【東京上京物語⑧】20230303分

    「あ!私、エミって言います。タカハシ エミです!今回大学に通うために、お引っ越ししてきました」 エミちゃん。 いい名前だ。 しかし挨拶の後も小話をちょっとしたが、どうも彼女がよそよそしい。 (あれ、迷惑だったかな) 場の雰囲気を察して、力也は切り上げる事にした。 「何か困ったことがあったら、いつで... 続きをみる

    nice! 1
  • 【東京上京物語⑦】20230310

    「えっと、、もしかして、ご迷惑でしたか? そうであれば、持って帰りますが、、、」 不安そうに、力也は彼女に聞いてみた。 「あ、ごめんなさい!迷惑とかでは一切ないです!ただ、、、」 ちゃんと彼女の声を聞くのは初めてであった。 声も可愛らしく高めの声で、彼女の雰囲気としっかりフィットしていた。 しかし... 続きをみる

  • 【東京上京物語⑥】20230309

    出てきたのは、女性だった。 力也は一瞬、言葉を失った。 その女性は身長が小柄で可愛らしい雰囲気の子であった。 髪は鎖骨くらいまである綺麗な黒髪で、清楚という言葉がぴったりとあてはまるような子であった。 今までずっと北海道で生活していた力也だったが、こんなに綺麗な子を見るのは初めてであった。 むろん... 続きをみる

  • 【東京上京物語⑤】20230308

    自宅のあるアパートに戻ると、ちょうどお隣さんの引っ越しの作業も終わっているようであった。 「ちょうどいいな」 力也は帰り際、お隣さんのインターホンを鳴らした。 しばらく待ってみたが、応答が無い。 もう一度鳴らしてみる。 やはり、応答が無い。 「引っ越しが終わって、買い物とかに出かけたのかな」 そう... 続きをみる

    nice! 2
  • 【東京上京物語⑧】20230303分

    「あ!私、エミって言います。タカハシ エミです!今回大学に通うために、お引っ越ししてきました」 エミちゃん。 いい名前だ。 しかし挨拶の後も小話をちょっとしたが、どうも彼女がよそよそしい。 (あれ、迷惑だったかな) 場の雰囲気を察して、力也は切り上げる事にした。 「何か困ったことがあったら、いつで... 続きをみる

    nice! 1
  • 【東京上京物語④】20230302

    さて、手土産はなにが良いのだろう? コンビニで売っているクッキーとかでは味気ない。 せっかくなら、喜んでもらえる方が嬉しい。 なにより手土産一つで関係値を作れたら、今後友達を家に招き入れて多少うるさくしても大目に見てもらえるだろうという邪な考えも若干あった。 早速、Google先生に聞いてみる。 ... 続きをみる

  • 【東京上京物語③】20230301

    春の風が心地良い。 まるで、街全体が自分の事を受け入れてくれているような感覚になる。 あぁ、自分はこれからこの街で大学の4年間を過ごす事になるんだな。 親元を離れる寂しさもあったが、それよりこれからの日々に対する期待の方がはるかに大きかった。 散歩を終え、力也は帰宅した。 そうすると、自宅マンショ... 続きをみる

  • 【東京上京物語②】20230223

    新千歳空港から羽田空港まで約2時間。 初めて飛行機に乗ったのだが、こんなに早く着くのかと驚きであった。 普段は電車での移動がメインだったが、北海道内の遠方に行くために乗っている時間と同等の時間で東京に着いてしまうのは不思議な感覚だ。 なにか特別な事をしているみたいで、18歳の力也少年は1人でニヤッ... 続きをみる

  • 【東京上京物語①】20230222

    心地よい風が吹いている。 北海道の冬は本当に冷え込みが激しく、当然しっかりと防寒具を着込んでいる。 4月になっても北海道の気温は10℃くらいなので、皆長袖を当然のように着用していた。 しかし、力也は違った。 今まで生まれてから18年間北海道に住んでいた彼だが、今年晴れて東京の大学に合格し、単身東京... 続きをみる

  • 40歳独身貴族のアバンチュール28(0118)

    あやと一緒に高尾山へ行って数日後。 健二はふとしれぬ違和感を感じた。 (なんだろう) 違和感の正体がいまいち分からない。 ただ、健二が今ハッキリと思っている事。 (あやに会いたい) よほど、この前会った時の感覚が昔の感覚と近くて良かったのか。 よほど、居心地が良かったのか。 本人にもなにが良かった... 続きをみる

  • 40歳独身貴族のアバンチュール27(0112)

    健二は一瞬理解が出来なかった。 そして耳を疑った。 しかし、あまりこの言葉を重く受け取らなかった。 何故か? 昔から付き合いが長いあやからの発言だったからだ。 (ああ、せっかくの休日だしもうちょっと遊びたいって思って  駄々をこねているんだな) としか思わなかった。 付き合いが長いが故の思い込みで... 続きをみる

    nice! 2
  • 40歳独身貴族のアバンチュール26(0111)

    高尾山は標高599メートルの山なので、山頂まで2時間もあれば到着する。 程無くして山頂に到着すると、数軒お茶屋さんがあったのでそこでご飯を食べる事にした。 二人は数あるメニューの中から注文したのは名物のとろろそばであった。 数分待った後、とろろそばが運ばれてきた。 何故こういった場所にあるご飯屋さ... 続きをみる

  • 40歳独身貴族のアバンチュール25(0105)

    山道を歩くと、木々と共に虫も飛んでいる。 一般の女の子は虫を見て大騒ぎする子もいるだろう。 しかし、あやは物怖じしない。 さすが田舎育ちだけある。 それどころか、道端の草むらにいたバッタを素手で捕まえた。 「見て!久し振りにバッタを捕まえた!」 そう言って、手掴みしているバッタを健二の顔に近づけた... 続きをみる

    nice! 1
  • 40歳独身貴族のアバンチュール24(1229)

    高尾山へ行く当日。 健二はあやの住むマンションまで迎えに行った。 場所は港区にあるエントランスが小綺麗なマンションだった。 あぁ、いわゆる港区女子ってやつか。 健二はそう思いながら彼女の事を待った。 建物の前で待って程なくして、あやは降りてきた。 その格好はスニーカーにウィンドブレーカー、動きやす... 続きをみる

    nice! 1
  • 40歳独身貴族のアバンチュール23(1228)

    ドキドキと緊張していたのも束の間。 ようやく普段通りの落ち着きを取り戻した。 それにしても、いつの間にこんなに女性らしい柔らかさを手に入れたんだろう。 こんな事も考える余裕が出て来た。 あやが行きたいと行っていたお店を順番に回る。 「お似合いですよ」 どのお店に行っても店員は試着したあやに対して言... 続きをみる

  • 40歳独身貴族のアバンチュール22(1223)

    流石は表参道。 通りゆく人々は皆洒落ており、美人な人も多い。 しかしそんな中でもあやは全然見劣りしていない。 むしろ、すれ違う人々の中には振り返る人もいるくらい一段とオーラが出ている。 一緒にいる男はなんなんだろう? そんな感じで健二も見られているような感覚に陥るくらい、あやのそれは凄かった。 急... 続きをみる

  • 40歳独身貴族のアバンチュール21(1222)

    実家から自分の家に戻った後に、ふとあやの事を考えている自分がいた。 懐かしい無邪気さは残しつつ、素敵な大人の女になっていたあや。 ただ、やはり健二の中ではあやは妹みたいな存在だった。 「元気そうで良かったな」 そう思うだけで、それ以上は特には何も考えようとしなかった。 そんな中、あやからLINEが... 続きをみる

    nice! 1
  • 40歳独身貴族のアバンチュール20(1221)

    「照れなくてもいいじゃん」 あやは笑いながら言ってきたが、さっきまでの感じと若干違う。 さっきまではただ明るく喋っているだけだが、今回の「照れなくてもいいじゃん」はなにか寂しげに言っているような感じだった。 あぁ、思い通りにいかなくて拗ねてるんだな 健二はそう思ったが、 「はいはい、行くぞ行くぞ」... 続きをみる

    nice! 1
  • 40歳独身貴族のアバンチュール19(1216)

    健二が良く面倒を見ていたのは17歳の時。高校2年生だ。 その時、彼女は9歳の小学3年生。 彼女は健二と手を繋いで歩くのが好きだった。 いつも遊ぶ時は 「けんじにぃ!!」 と言って手を上げてきた。 当然身長差があるので、健二は自身の腕を下まで下げてやっと彼女の手に届くかどうかといった感じだった。 そ... 続きをみる

    nice! 1
  • 40歳独身貴族のアバンチュール18(1215)

    今回たまたま彼女も実家に帰っていた。 親同士の井戸端会議で健二もたまたま帰ってくる事を知り、うちに遊びに来たらしい。 聞くところによると、あやは丸の内にある会社の社長秘書をしているらしい。 常に社長と一緒に行動をしていて、会社の接待なども同行しており東京の出来る女のオーラが出ているように感じた。 ... 続きをみる

  • 40歳独身貴族のアバンチュール17(1214)

    あやは健二が高校生の時に隣に引っ越してきた子であった。 あやの親が共働きの事もあり、健二が高校生の時に面倒を見て遊んであげていた子で8歳下の子である。 「けんじにい、けんじにい!」と言ってよく後ろを付いてきた。 健二の実家は住宅街にあるのだが、自転車で10分も行けば緑が多い田舎で田んぼがあったり川... 続きをみる

  • 40歳独身貴族のアバンチュール16(1209)

    隣ビルのトイレの個室に籠ってどれくらいたったのだろうか。 気付いたら寝落ちをしていた健二。 目を覚ましたら時計は3時をさしていた。 周囲を警戒しながら建物の裏手から外の様子を伺ってみる。 流石に先程から4時間経過しているので周囲にそれらしい人の気配は感じられない。 そそくさとビルの外に抜け出て、す... 続きをみる

  • 40歳独身貴族のアバンチュール15(1208)

    隣の非常階段に飛び移って程なくして、元いたビルから声が聞こえる。 「おい、さっきのやつがいないぞ!」 「どこいきやがった」 「周りを探せ!」 さっきの店内にはバーテンダーの男1人と女性が1人だけだったが、今聞こえる声は男性3人はいる事が間違いなさそうである。 しかも声の質的に怒鳴り慣れているのか、... 続きをみる

    nice! 1
  • 40歳独身貴族のアバンチュール14(1207)

    酔っていてなかなか頭が回らない状態であったが、健二は必死に頭を高速回転させた。 まず、なつきという女性の存在だ。 彼女はなんだったのであろうか? よくよく考え直してみると、本来連絡先を教えることに対してそんなに抵抗というものはないはずなのに、なつきは頑なに「後で」と言ってその場で教えてくれなかった... 続きをみる

    nice! 1
  • 40歳独身貴族のアバンチュール13

    さて、これはどういった事なのだろうか。 状況が掴めずにいた。 「あのぉ、会計の金額表記間違ってるみたいなんですが」 健二はバーテンダーに聞いてみたが、 「いえ、そちらでお間違い御座いません」 との返答。 え? ええ? 全く状況が理解出来ない。 「いやいや、だって僕がここのお店でいただいたのって2人... 続きをみる

    nice! 1
  • 40歳独身貴族のアバンチュール12

    飲み始めて小一時間が経過しただろうか。 なつきが 「ちょっとお花摘みに行ってくる」 と言ってトイレに立った。 トイレは各テナントの共有の物が通路にあり、そこへ向かうなつき。 「いってらっしゃい」 と言ってトイレへ見送る健二だったが、そろそろお持ち帰りへ持ってく算段を 立てていた。 「戻ってきたらさ... 続きをみる

    nice! 1
  • 40歳独身貴族のアバンチュール11

    飲み始めてかれこれ2時間が経過した。 なつきの頬は桃のように紅潮されている。 「この後どうしようか?なつきさん、まだ時間大丈夫?」 健二はなつきに聞いてみた。 「全然大丈夫!健二君と飲んでる時間楽しいもん!」 酔っているからだろうか。 健二にとって嬉しい返答が先程より楽し気に返ってきた。 続けて、... 続きをみる

    nice! 1
  • 40歳独身貴族のアバンチュール⑩

    怪しげなねずみ講のセミナーをなつきと一緒に抜け出した健二。 「さて、とは言うものの今横にいる人は初対面の女性だ。  この後どうしたら良いのだろうか」 健二は悩んだ。と言うのも、せっかく向こうからセミナーを出ないかと言ってくれた。 このまま出てそこで解散は男が廃ると彼は思った。 という建前もあったが... 続きをみる

    nice! 1
  • 40歳独身貴族のアバンチュール⑨

    兎にも角にも、あまりこの場に長居したく無いというのが健二の本音であった。 しかし、折角連れてきてくれた優子の面子を潰すのも良くない。 もしかしたら彼女もただ単純に好意で自分の事を連れてきたのかもしれない。 もしそうだったら、彼女に対して大変失礼な行動になってしまう。 どうしようか考えていたがなかな... 続きをみる

    nice! 1
  • 40歳独身貴族のアバンチュール⑧

    改めて優子に話を聞いてみると、生活に必要サプリや美容系グッズを扱うビジネスらしい。自分が特に在庫を抱えるわけではなく、紹介した人達がその商品を購入すると紹介した人の元に売上金の一部が入ってくる。また、その紹介した人が更に新しい人を紹介して商品を購入すると、2人に売上金の一部が入ってくるとの事だ。 ... 続きをみる

    nice! 1
  • 40歳独身貴族のアバンチュール ⑦

    健二は今まで出会った事のない種類の人だったので些か困惑した。 「なんだろう、この統一感の無い格好をした人は」 それが彼の第一印象であった。 しかし周りの子たちは 「中田さん、おはよう御座います!」 「中田さん!」「中田さん!」 と、次々と声をかけられてゆく。 どうやら人望だけは厚いらしい。 健二も... 続きをみる

    nice! 2
  • 40歳独身貴族のアバンチュール ⑥

    土曜になり、セミナー会場に優子と共に健二は訪れた。そこは異様な雰囲気をまとった場所であった。 ぱっと見で人は50人程いて、各々が胸にネームプレートをしていた。そこには名前と共に「メンバー」「ディレクター」などの役職名と思われるものが記載されていた。 健二にもネームプレートが渡され、そこには「高橋健... 続きをみる

    nice! 1
  • 40歳独身貴族のアバンチュール ⑤

    待ち合わせまで後1時間。 彼はソワソワしながらも、一抹の不安に駆られていた。 というのも、今の携帯は写真の補正機能が高性能である。 こんなにトントン拍子に事が運ぶ事を考慮すると、写真と全然別人が来るのではないかと考えてしまったのである。 「まあ、そんなに期待しすぎてもいい事ないしな。気軽に待とう」... 続きをみる

    nice! 1
  • 40歳独身貴族のアバンチュール④

    「こんにちは、初めまして」 こんな当たり前の挨拶でさえテンションが上がってしまう。 40歳のおじさんではあるが、学生時代振りのトキメキを日々の生活に健二は感じていた。 「え!私もディズニー好きなんですよ!」 「音楽も好きだけど、フェスとか行ったことないの。けどすごい行ってみたい!今度、行けたら一緒... 続きをみる

    nice! 2
  • 40歳独身貴族のアバンチュール③

    早速有料会員になった健二。 「初めていいねを女性からされた。一体どんな子なんだろう」 高鳴る胸の鼓動を押さえ早速画面を開いてみたが、彼は愕然とした。 画面を開いて現れたのは推定体重3桁は優に超えている黒人の女性が2名。 彼は身長の低い小柄な女性がタイプであっただけに、衝撃は計り知れないものであった... 続きをみる

    nice! 4
  • 40歳独身貴族のアバンチュール➁

    焦ってはいるものの、出会いを探そうと思えば携帯一つで出会いを見つけられるのが今の世の中だ。 今の世の中は本当に便利になったものである。 健二はいわゆるガラケー世代であり、携帯電話の使用用途と言えば知り合いと直接電話で話をするかe-mailでメールでのやり取り。 これくらいであった。 しかし現在はス... 続きをみる

    nice! 2
  • 40歳独身貴族のアバンチュール①

    「また今年も独身のまま一人で明石家サンタを見るのか」 ため息と共にこなれた手つきでカップラーメンにお湯を注いで令和初のクリスマスを迎えた男がいた。 彼の名前は高橋 健二。 この話の主人公である。 傍らには彼の飼っている猫の「じゃじゃ丸」がいる。 猫を飼い始めたのは彼の思い付きからであったが1匹目は... 続きをみる

    nice! 3