40歳独身貴族のアバンチュール27(0112)
健二は一瞬理解が出来なかった。
そして耳を疑った。
しかし、あまりこの言葉を重く受け取らなかった。
何故か?
昔から付き合いが長いあやからの発言だったからだ。
(ああ、せっかくの休日だしもうちょっと遊びたいって思って
駄々をこねているんだな)
としか思わなかった。
付き合いが長いが故の思い込みである。
「馬鹿な事言ってるなよ。
明日も仕事があるだろ?
今日は一日中歩いてて疲れているだろうし、明日に備えてゆっくり休みな。
じゃあね、おやすみ」
そう言ってあやを家に送り届け、健二は帰路についた。
家に到着するのと同じくらいのタイミングで、あやからLINEが届いた。
「今日はありがとう。
久し振りに自然を感じられてすっきりしたよ。
あと、けんじにぃと一緒に入れてすごい居心地良かったよ。
もうちょっと一緒にいたかったな笑」
語尾に「笑」と記載があったが、健二も同様の感想を抱いていた。
居心地の良さ。
まあ、20年以上前からの気心が知れたもの同士の知り合いなので当然かもしれない。
とは言う物の、ここまで自然体で一日を過ごしたのは久し振りであった。
健二は得も言えぬ心地よさに身を包まれていた。
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