流石は表参道。
通りゆく人々は皆洒落ており、美人な人も多い。
しかしそんな中でもあやは全然見劣りしていない。
むしろ、すれ違う人々の中には振り返る人もいるくらい一段とオーラが出ている。
一緒にいる男はなんなんだろう?
そんな感じで健二も見られているような感覚に陥るくらい、あやのそれは凄かった。
急にそわそわしだす健二。
それを察するあや。
「けんじにい、どうしたの?」
「いやっ、あやはなんかこの街に馴染んでるなぁと思って。
それに比べて、俺ってなんか普通すぎる格好で来ちゃって、急に恥ずかしくなったんだよね」
「なんだ、そんな事か!
急にそわそわしだしたから体調でも悪くなったのかと心配しちゃったよ!
まあね、私は仕事の兼ね合いでもよくこの辺来るから多少は馴染んでるかもしれないけど、そんなの関係なくない?
誰も知ってる人が見ているわけでもないし!」
微笑みながらあやは言った。
それと同時にあやは健二の腕に自分の腕を絡めた。
「おい、ちょ!」
健二が驚いてつい声が出てしまったが、
「この前は地元だったし誰かが見てたかもしれないけど、
今はさっき言ったように知ってる人が見ているわけでもないから大丈夫だよね!」
笑顔で言ってきた。
絡めてきた腕にあやの胸が当たる。
幼少期の健二が知っている感じと全然違う。